高齢者の骨折で大腿骨頚部骨折は頻発している骨折です。
ところがこの「大腿骨頚部骨折」という名前は本当の正式名称ではありません。
結論から言うと、「大腿骨近位部骨折」の一部が「大腿骨頚部骨折」であるという事です。
「大腿骨近位部骨折」は1.大腿骨頚部骨折と2.大腿骨転子部骨折に分かれます。
①大腿骨頚部骨折と②大腿骨転子部骨折は内側骨折と外側骨折とも呼ばれています。
ポイントは関節の内側か外側かの骨折で呼び方が変わるという事です。
股関節の関節包の内側の骨折であれば「大腿骨頚部骨折」であり、関節包の外側の骨折であれば「大腿骨転子部骨折」という呼び名になります。
またさらに「大腿骨頚部骨折」は①骨頭下骨折②頚部中間骨折、「大腿骨転子部骨折」は③転子間骨折④転子貫通骨折に分かれます。
「大腿骨近位部骨折」の治療は主に手術になります。
「大腿骨頚部骨折」は骨接合術や人工骨頭挿入術であり「大腿骨転子部骨折」は髄内釘やプレート固定の手術がされます。
今回はよく「大腿骨頚部骨折」と呼ばれる事が多いですが、「大腿骨転子部骨折」の場合もある事から正しくは「大腿骨近位部骨折」と呼ぶのが正解ですよというお話でした。